出来事

生物資源学部2階Dゾーン(森のエリア)の木質化工事を行いました

生物資源学部2階Dゾーンのコーナーに位置するエリアは、森のエリア(森林・林業のイメージ)として位置づけられています。そのため木の温もりを感じられる空間となるように、演習林技術スタッフが中心となり木質化の準備(設計、材料加工など)をすすめてきました。

平日の講義やテストなどの妨げにならないように日程調整し、7月22日(土)(壁面の化粧工事)・8月5日(土)(テーブル板の据付け工事)に木質化工事を実施しました。

主に既存の壁とテーブルの一部を木材で覆ういわゆる化粧工事を全て演習林スタッフの手で行いました。

テーブルや壁が木材の素材を活かしたものになる事で、以前より柔らかく落ち着いた仕様になったかと思います。特にテーブルの上に据え付けた板には、演習林の林齢200年を超えるスギ(藤堂スギ)の材を使用していますので他の材とは違った重みと雰囲気を感じていただけるかと思います。

施工後のDゾーンは、スギの優しい香りがほのかに漂っています。講義前後の予習復習や余暇の息抜き等に利用されるスペースですので、今回の木質化工事により、利用者がリラックスして過ごすことのできる空間になったのではないかと思います。

また、木材は少ないエネルギーで製造することができる建築材料であり、炭素の貯蔵機能があることから、木材(特に地域産の木材)利用はカーボンニュートラルに貢献するものとして、近年注目が集まっています。三重大学においても建築物の木造・木質化を考えるきっかけの一つになれば良いと思います。

写真にて様子を紹介します。

施工前:壁面・テーブル(窓側)共に白が基調のデザインとなっていました。

施工後①(7月22日(土)):壁面の化粧工事を実施しました。配線を裏に隠すことでまとまった見た目になりました。

施工後②(85()):テーブルの据え付け及びその側面の化粧工事を実施しました。元の白テーブルとの重なりをしっかり隠せ、全体的に木目が基調の落ち着いた印象に変わりました。

※以下にもう少し工事完了までの流れを紹介します。

◎壁面の木質化作業

用意した無節のスギ板を現地にて壁面幅の長さに仕上げて貼り付けました。

電源ボックス等がある部分に合わせ長さや加工を施しました。

壁に設置されていた電源部(コンセントとモジュラージャック等)はそのまま使用できるよう仕上げています。
※板に描かれた三重大学のロゴマーク、生物資源学部のロゴマーク等は、演習林にて予めレーザー刻印しました。

テーブル下の化粧板の貼り付けも同様に行いました。

◎テーブル板の準備~据え付けまで

今回テーブルに使用した林齢200年生を超えるスギ(藤堂スギ)林の原木丸太(台風の影響で倒れてしまった藤堂スギを演習林で保管し、十分に乾燥した材を使用)

地元の製材所で寸法を指定してテーブル用の一枚板を製材しました。

やすりで表面の凹凸が無くなるまで削ります。(簡単そうに見えますが実はこの作業に一日ほどかかります)

元の白テーブルの長さ(5.3m)に対して用意した一枚板の長さ(4.5m)が足りないので、テーブルの長さを継ぎ足すために、予め演習林にて継手加工してきました。

継ぐ両方の板材の接合部に位置を合わせて加工した穴にダボを打込み接合しました。

テーブル据え付け後、側面の白テーブルとの重なりを隠すための化粧板の貼り付けをこの後に行いました。(※完成の写真は、3枚目の紹介写真へ)